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  • 未来教育リポート
  • 2016.03.08

「生徒に自慢したい!」先生の笑顔で溢れた“キャンプ”最終日【Camp 21c for Teachers 3日目リポート】

2015年8月10日(月)~ 8月12日(水)の2泊3日、山梨県にある保健農園ホテル・フフ山梨にて開催された「Camp 21c for Teachers ~先生が21世紀スキルを楽しく体験的に学ぶプログラム~」。この記事では、4回にわたってプログラムのリポートをお届けしています。

 

第1回目のレポートはこちら→【Camp 21c for Teachers 1日目リポート】

第2回目のレポートはこちら→【Camp 21c for Teachers 講義リポート】

第3回目のレポートはこちら→【Camp 21c for Teachers 2日目リポート】

 

第4回目(最終回)となる今回は、キャンプ3日目の様子をご紹介するとともに、この3日間を振り返ります。

今の気持ちを身体で表現(チェックイン)

まず、全員でグルリと大きな輪になって、1日目と2日目を振り返りました。

「では、今の気持ちを身体で表現してください」

 

唐突なお題であったにもかかわらず、一人ひとりが今の気持ちを全身で表現しました。輪の中央に立って大きくジャンプする人、全員とタッチしながら輪の中を小走りする人、椅子の上に堂々と立つ人、笑顔でスキップする人など、表現方法は十人十色。言葉は一言も発さないのに、感情が読み取れたので、不思議でした。

 

その後、組織開発コンサルタントの土屋恵子さんが、3日目のテーマとなる「未来を探索」するにあたっての約束ごとについて説明しました。「腕を組むとき、左右を逆に組むと違和感がありますよね? つまり違和感があるときっていうのは、何か新しい経験をしているときなんです」など、みなさんの印象に残るコメントを添えました。

 

準備万端! 最終日、未来の探索の始まりです…

「ブロック」を使って未来をつくる ~ビジョンワーク~

1.ハイポイント・インタビュー

 

はじめのワークは、「ハイポイント・インタビュー」といって、

・なんとなく惹かれる人とペアを組み、

・問われたことに対して話したいことを話し、

・聞き手はうなずいたり、あいづちをうったりする

という内容。

 

問いは、「教師として、リーダーとして、自分自身として最高に、一番輝いていた出来事をお話しください」でした。

 

それぞれのペアが、それぞれのスタイルで会話をスタート。L字型に椅子を置いて話すペア、まっすぐ対面して話すペア、椅子にあぐらをかいて話すペア… 自由な雰囲気で盛り上がりました。

 

お互いの話を終えたら、今度は3組で集まってグループ共有。さっき話した相手の話を、別の人に伝える、というかたちでシェアしました。

 

このワークの感想を聞くと、「自分が話すと主観的、感情的。相手に話してもらうと客観的。悩み事ができたら、こうして人に話してもらうとよさそう」や、「人から聞いた話を思い出すときは、言葉でなく、映像(イメージ)を思い浮かべるとうまくいく」などの気づきがあったようです。

 

2.「ブロック」を使ったセッション

 

次のワークは、懐かしの(?)ブロック玩具を使用しました。「手は知っている」という考え方のもと、“感じる”ことを大切にしたワークです。

 

テーマは、「10年後の未来」。

 

自己を見つめ、未来を考えているのか、みなさん黙々と真剣に手を動かしていました。出来上がった作品は、グループのメンバーと共有。どんな意図で作成したか、お互いに説明し合いました。

 

続いて、グループで作品を一つの「未来」として集約しました。ルールは、その「未来」のなかで、必ず自分たちの果たす役割、ストーリーを考えること。グループによっては、かなり頭を悩ませたようでした。

 

そして完成したのは、例えばこんな未来でした。

「楽しい学びの場がある。入口の左右の扉を開く役、楽しい世界に誘うネットワーク役、案内するエスコート役、家で家族を支える役がいる」

 

多様性がありましたが、共通していえるのは、どの未来にも学校・家・仕事が存在していたことでした。

3.アクションプランニング

 

ブロックを使い五感で未来を描いたあとは、その未来に向けて「いかにして目的地へ向かうか」という戦略を考えるワークを行いました。役割・使命、目的地、現在地、目的地へ向かうための方法、必要なリソース、仲間に貢献できること、などを書きだすという内容です。個人で行ったあとは、グループで共有しました。

 

続いて、「私たちはどんなつながりを求めているか」について考えました。このワークのあとには、意外な感想がチラホラ…

 

「つながるのが面倒という意見が多くあった」

「つながりたいけど傷つきたくないという人もいた」

 

一方、

 

「だからこそ、つながり方を子どもに伝えてほしいと思う」

「この場でつくられたつながりを、職員室でもつくっていこう」

「この3日間のわたしたちのつながりも、続いていくことでしょう」

 

みなさんの意識がどんどん未来のほうへ向かっていくのが、非常によく伝わってきました。

最後のランチ

この日のランチが、このメンバーでいただく最後の食事。新鮮な野菜と、うまみのギュッと詰まったひき肉がご飯のうえで一緒になったタコライスをいただきました。

 

初日のランチでは、まだギクシャクしていたみなさん。すっかり“つながり”ができていて、自然に笑顔が生まれていました。

あなたの漢字一文字は!? ~ハーベスティング~

1.プロセスの振り返り

 

ランチでお腹いっぱいになったあとは、ラストスパートです。3日間を振り返り、帰ったら何がしたいか、という観点で、今の気持ちを漢字一文字で表します。

 

出てきた漢字は、

開、勇、愛、笑、始、伝、想、楽、繁、響…etc

 

見ているだけで、なんだかワクワクするような、未来に希望が抱けるような、そんな漢字ばかり。また、その文字を書いて、手にするみなさんが、とても生き生きしていました。

 

2.バルコニーから見る

 

ここでは、少し視点が変わり、参加者から主催者への質問コーナーとなりました。「バルコニー」というのは、バルコニーに上がって、この取り組みを見る、という意味なのでしょう。各ワークの時間設定についてや、プログラムが事前に明かされなかった理由など、さまざまな質問が挙がりました。

そして、旅立ちへ…

バッ

 

と、ここで突然部屋が暗くなり、3日間を記録したスライドが上映されました。主催者から参加者へのサプライズ・プレゼントです。鑑賞中、みなさんはそれぞれどんなことを感じていたのでしょうか。

 

その後、プログラムは「旅立ち」という名のチェックアウトに移りました。そして、参加者・主催者の一人ひとりが、最後の感想を述べました。素敵な感想がたくさんあったのですが、そのなかから、印象的だった言葉をピックアップします。

 

「先生たちの悩んでいる姿を見た。心打たれた。もしかしたら、普段から、こういった姿を生徒に見せてもいいのかもしれない」

 

「教員を続けるかどうか、悩んでいた。ここに参加して、できることを模索しようと決めた」

 

「人が自分に向き合って探求する姿は神々しいと感じた。教育の原点だと思った」

 

「対話の大切さに気づけた。これから、対話で仲間を増やしていきたい」

 

「自分は明るい人ではない。でも自分の心を開けることに気づけた。生徒の前でも、これから心をもっと開いていきたい」

 

「先生が元気だと、子どもも元気になるだろうと思った」

 

「教育のことをこんなに考えている大人がたくさんいる。生徒に自慢したい」

 

21名の参加者、そして主催者は、それぞれの想いを胸に、それぞれの場所へ旅立ちました。