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  • 未来教育ワークショップ
  • 2015.06.01

「子どもの未来~生き抜く力~」を考える

地域の学び舎 「こすぎの大学」

コーディネーターの菊池飛鳥です。

1月9日(金)「こすぎの大学~武蔵小杉を次世代につなぐ~」にて未来教育会議ワークショップを開催しました。こすぎの大学は、高層住宅や大型商業施設などが建設され新たな街づくりが進む武蔵小杉に誕生した地域コミュニティです。武蔵小杉に在勤在住の方、この地に集う方々など約50名の方々にご参加いただきました。

新たに建設される高層住宅には子育てをされている家庭が多く入居され、そこに住まう人々や地域が、共に子どもたちの成長を担っていこうという様々な取組みが日常的に行われています。

人間関係の希薄化や核家族化の課題が浮き彫りになる現代において、こすぎの大学に集う皆さんと教育や町づくりについて情報交換をしていると街の人々のあたたかさを感じます。

「生き抜く力」とは

皆さんは、「生き抜く力」と聞いてどのような印象をもたれますか。

 

私は、衝撃のあまり言葉を失いました。目の前にいる愛おしい子ども達が、長い生涯を生き抜かなければ生きていけないなんて―。

 

2008年に現行の学習指導要領が改訂され、文部科学省より知・徳・体のバランスがとれた「生きる力」が改訂の理念として掲げられました。ゆとり教育の見直しから学力向上に重きがおかれ、基礎的・基本的な知識や技能の習得はもちろん、よりいっそう豊かな思考力や表現力、判断力などをはぐくむことを目指しました。

しかし、激しく変化していく社会、突然起こる自然災害、個人や家庭で抱える様々な課題などの深刻かつ多様な社会的背景を受け、子どもたちに必要な力は「生きる力」をベースとした「生き抜く力」であると考えられるようになりました。彼らが、いつ、どのような困難や状況と向き合うことになるか誰にも分かりません。記憶にも新しくのこりますが、昨年末に20年後には現在人によって行われている職業の半分以上が機械化されると予測され、様々なメディアで取り上げられました。数年後の激変するその社会へ、目の前にいる子どもたちははばたいていくのです。

 

 

対話に向けて、コーディネーターの辻信作さんより未来教育会議の目的と今日のゴールについてお話がありました。

未来教育会議の目的はこちらをご覧ください。

1時間目 あなたの人生を振り返り、未来を「生き抜く力」とは何ですか?

これまでの経験を振り返り、自分自身が考える「生き抜く力」について対話をしました。

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(一部抜粋)

○健康・体力  ○情報力  ○知恵力  ○精神力  ○団体力  ○共存力  ○忍耐力

○危険予知力  ○対外力  ○友人力  ○頼り力  ○質問力  ○伝える力  ○表現力

○理解力  ○サバイバル  ○いい意味でずるい  ○機転が利く  ○好奇心  ○情熱

○選択肢をたくさんもつ  ○常識を疑う  ○稼げること  ○目標設定  ○困難を乗り越える

○悲しい体験をする  ○やりきること  ○基本に忠実  ○客観性  ○気にしない力

○五感力  ○よく笑う  ○ポジティブシンキング  ○自分を知る  ○感謝する

2時間目 生き抜いてきた自分を支えた経験とは何ですか。

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(一部抜粋)

○人に否定されたこと  ○受験の失敗  ○失恋、失望  ○会社での仕事

○「もう下はない」というどん底の経験

○自分の価値をすべて失った経験  ○暗闇でも進み続けること

○外国人とのけんか(言語力)  ○山登り、ダンス、歌

○論文  ○ヒッチハイク  ○海外旅行  ○バックパッカー

○一人暮らし  ○上京  ○自分と合う人と集まる、つながる

○部活、スポーツ

3時間目 武蔵小杉や自分の地域で、未来を担う子ども達の「生き抜く力」を育てるために―

武蔵小杉や自分の地域で、未来を担う子ども達の「生き抜く力」を育てるためにあなた自身ができることや、これから取り組みたいことは何ですか。

 

自分自身が考える「生き抜く力」や生き抜いてきた経験について対話を共有したあと、武蔵小杉の街でどのようにして子どもたちの生き抜く力を育てていくか 、取り組んでいきたいことをまとめました。

各グループごとに分かれて、アイディアを具体的に提案していきます。

近隣を流れる多摩川での活動や、地元川崎市を拠点とするサッカーチーム、川崎フロンターレと連携した活動など、地域に密着した9つのプレゼンテーションが行われました。それぞれ武蔵小杉の地域性を活かした取組みです。

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社会がいかに変化しようとも、彼らがどんな状況に直面したとしても、生涯を豊かに幸せに生きていけるように、少しでも多様な考え方や生き方に触れられるようにすることがわたしたち大人の役目ではないでしょうか。

 

こすぎの大学代表の岡本さんにワークショップの詳細まとめていただき、こちらに掲載していただいております。

第17回「こすぎの大学~武蔵小杉を次世代につなぐ~」

 

グループでの対話の記録など細やかにまとめていただいておりますので、ぜひご覧ください。

 

 

  • ライター

菊池飛鳥

目黒区公立小学校教諭
道徳教育推進リーダー
未来教育会議コーディネーター
日本道徳教育学会
東京青年会議所 教育政策委員会および港区委員会に所属

様々な背景の中で一生懸命に生きている子どもたちと出会い、未来を「生き抜く力」の必要性に気づく。
自分で未来を切り拓き、志高く創造力豊かに社会にはばたいていく力を育てたい。

「学校が大好き。」
進路を考えた時にふと浮かんだ幼少期の記憶から、教員の道を歩むことを決意。
学級担任を務めながら、日々の実践の中で「ほめて伸ばす心を育てる魔法の声かけ」や、気持ちのよい叱り方、 運動・音楽・アート・礼儀作法を取り入れたオリジナルメソッドを開発中。

好きな言葉 志への挑戦


東京青年会議所
http://tokyo-jc.or.jp/

東京青年会議所港区委員会
http://www.tokyo-jc.or.jp/minato/index.html

日本道徳教育学会
http://doutoku-gakkai.sakura.ne.jp/

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